人が住む里の山 ”夢追い人”
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人が住む里の山
団塊の世代が少年期だった頃、里山は身近な存在でした。学校から帰ると山で芝刈り、枯れ枝や松葉を 集め、カマドや風呂の燃料としました。里山は、薪や肥料、林産物など、生活必需品を多く賄って くれる、自給自足の要のような存在でした。そして、そこには里山独自の林層や生態系が 育まれてきたのです。
下草が刈り込まれた里山 初夏に咲く笹百合 里山は、戦後の高度経済成長による経済変革によって、その役割を失いました。 まず、都市化により戦後、農村人口は半減。特に若年世代の都市への人口流出に歯止めがかからず、 農林業が担い手を失っていきました。
さらに、藁を編み、膠(動物性油。接着剤など)や菜種を搾り、薪や落ち葉を集め、枝や茅で屋根を葺き、 桑を育てて機を織るなど、里山からもたらされたあらゆる日常品やエネルギーが、石油製品や電力・ガス、 水道など、便利で安価な工業製品や輸入品に取って代わられていきました。里に人無く、山に価値無し という状態に追い込まれていったのです。