冬の上高地

 

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冬の上高地


冬の上高地

学生だった頃、ワンダーフォーゲルの延長で冬の上高地へ何度か行きました。
冬の上高地へ行くには、松本バスターミナルから高山方面へ行くバスに乗り、
途中の「中の湯」という場所で降り、ここから釜トンネルを通り県道24号線上高地公園線を
上高地までひたすら歩いて行きます。釜トンネル閉鎖施錠されているので入れない、
と思うのが普通だと思いますが徒歩なら通れます。
冬季、通行止めとなっている釜トンネルの中でテントを張り、幕営したこともあります。


釜トンネル(上高地側)

12月でしたので、釜トンネルを越えた車道の所々に新雪雪崩が起きていました。
上高地に観光客の姿はなく、ヒュッテ(山荘)は、外側から板を×印に張り付けて閉鎖し、
縦走コースでたまに行き交う人達と言えば、酷寒の冬山登山に備え、足元から頭の先まで
重装備に身を固めた、冬山に登山する人達だけです。
冬の上高地は、辺り一面の白銀の世界、大正池や上高地は雪で覆われ、梓川に掛かる河童橋も
白一色の雪化粧、特に梓川沿いの白樺林、幹の白さが雪に映えて印象的でした。
積雪したパウダースノーを掻き分けてテントを張り、幕営します。
シートの上にエァーマットを敷き、寝袋から少しだけ顔を出して就寝します。


冬の大正池

冬の上高地の寒さは半端ではない。気温−25℃で冷蔵庫を越え冷凍庫以上の寒さであり、
まさに吐息も凍る寒さです。夏の間から自宅ベランダを青天の寝室代わりにし、寝袋を持ち込み就寝し、
寒さに少しづつ身体を慣れさせ、真冬のベランダでも寝袋を持ち込み就寝するなど、日頃から
冬山に備えて寒さに慣れる訓練を積んでいても、尚且つ堪え切れる寒さではありません。

冬の上高地の寒さがどれだけ厳しいかを知るエピソードですが、昼食に梓川に掛かる河童橋付近
でのカレーライスを食べていて僅かに手を止めると周囲の寒さに、アツアツのカレーが凍り、
カチカチの固形物となり、スブーンとカレーが凍って動かなくなります。それほどに厳しい寒さです。



冬の河童橋



パウダースノーに包まれる上高地の大地

冬の上高地の寒さは、想像以上に厳しく、積雪を手で掬うと指と指の間からサラサラと雪が
こぼれ落ちます。
上高地の積雪を歩いているとサクサクと乾いた雪が軋む音がします。
これが、酷寒の地に降るパウダースノー(粉雪)です。

縦走は、前の人が歩き踏み固めた跡を辿り歩きますが、道を少し外すと雪溜まり嵌り、
深い積雪に足を取られ、股に雪が支え歩けなくなります。


また、身に付けている手袋を手から離し、暫くすると金槌の様にかたくなり、釘を打ち付ける
こともできます。この様に冬の上高地は、気温−25℃となる極寒の地にパウダースノーが、
静かに降り積もります。


bankouのブログ-白樺林
上高地の白樺林



冬の上高地で露天風呂に入る

冬季、松本と上高地を結ぶ道路は雪に覆われ、唯一の交通アクセスである、バスの運行はない。
沢渡からタクシーで釜トンネルまで行けますが、その先は歩きのみになりますので移動に
かなり時間が掛かります。
上高地の冬は、徒歩でしか行けない交通アクセスの悪さもあり、登山客そのものが少ない。

夏に賑やかな河童橋付近のロッジ、ホテル、宿は、冬季は、閉鎖されていますが、年末年始に
限定して営業を行っている、ホテルや山小屋があります。
大正池ホテルの露天風呂は、宿の外側にあり、大自然の中で雪景色を眺めながらの入浴となります。
ここの露天風呂は、その名のとおり、大自然の中にあり、野生の鹿や猿が入浴に訪れるかも知れません??

露天風呂で裸姿を曝すと、余りの寒さで肌にぴりぴりした痛みが走りますが、湯に浸かればポカポカと
身体が温まり、ここが-25℃にもなる極寒の地であることを忘れさせてくれます。

上高地で年末年始のみ営業する小屋、ホテルは、大正池ホテルと徳澤園です。
宿泊施設の冬季営業は商売になるように日程を限って営業しており、大正池ホテルは、12月28日火曜日から
1月4日火曜日まで年末年始の営業を行いますが、決まった営業をしているわけではないので要予約です。
上高地のトイレがある場所ではホテルに泊まらず、山登りや写真撮影が目的で雪原にテントを張って幕営する
方がチラホラ見受けられました。


雪に覆われた冬の梓川



冬の大正池



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