北アルプス 表銀座縦走(燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ケ岳)
登山コースは、中房(なかふさ)温泉の登山口から始まります。登り口はここしかありません。
燕岳、大天井岳と常念山脈の尾根つたいへ、蝶ヶ岳から三股へと下るコースです。
この登山コースは、無雪期であれば、北アルプスの入門コースであり、
いわゆる「表銀座縦走路」の一部を含む尾根つたいを縦走するコースです。
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尾根づたいの縦走路
燕岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳までのコースを常念山脈、又はパノラマ銀座と言います。
その名の如く、合戦尾根を登り切ると、北アルプスの3000m級の嶺峰が、広げた両手の中にあります。
燕岳(2763)、大天井岳(2922)、常念岳(2857)、蝶が岳(2677)の四つのピークを踏みます。
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中房温泉から燕山荘へ向かう
JR穂高駅からタクシーで30~40分で登山口の中房温泉へ、此処からは尾根(稜線)の急な
登り坂で第二ベンチ1820 → 富士見ベンチ2200 → 合戦の頭2489 → 燕山荘2704へ向かう。
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燕岳:山名の由来は、春の雪形がツバメに似ているためにつけられた。
燕山荘付近から望む燕岳
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燕山荘
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燕岳の南、燕山荘前からの眺望
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燕山荘のテント場、雲海を見下ろす、天空のテント場です。
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燕山から大天井を眺める。
切通岩![](tubakuro3-r1.jpg)
大天井岳常念岳方面の分岐
切通岩から15分位登ると槍ガ岳方面と大天井岳常念岳方面の分岐に着くので、左折して大天井岳の
東面山腹を踏み大天荘を目指し、斜めに巻きながらガレ場を登って行く。
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大天井岳のガレ場を踏みしめて登る
大天井岳の登りは、遠くから見ると左への巻き道なので、軽く登れそうに見えたが、登りの
ガレ場は辛い岩が重なる山道を、一歩一歩踏みしめながら高度を上げていく。
途中、呼吸の乱れが起こらない程度に休憩を取るが、重いリックサックを背中から下ろさず、
斜面に片足を上げたままの立ち姿(片足立ち)で全体止まれの休憩である。酸素の薄い高地で
バテないために、急がば回れの休憩を入れながら大天荘に向かってゆっくりと登って行く。
食料品やテント、寝袋などのリックサックの重みが肩にずっしりと感じる、登りのガレ場です。
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大天荘のテント場にテントを張る
槍ケ岳、大天井の分岐から30分~40分位登ると大天荘に着く、今日は、大天荘のテント場で
テントを張る。
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大天荘のテント場
大天荘のテント村にさんざめく星降る
山の朝は早い、まだ暗い早朝の4時に起床、テントの中で飯ごう炊飯の準備に取り掛かる。
大天荘のテント場付近の立ち位置が2,870m、星雲の薄明り中、幕営したテントの中から小窓を開けると、
目線の上下左右に星が輝き、満天のパノラマが360°に広がり、天の川が大天荘テント場を包みこみます。
まるで空からさんざめく星が降り注ぎます。
地上では見ることが出来ない神秘な星空、空から星が降ってくるような絶景、天の川、マゼラン雲、
そして南十字星、夜空を埋め尽くす無数の輝く星が現れ、ほんの30分程で3つの流れ星が尾を引きました。
夜でも空の明るい都会の街角では有り得ない満天の星空、夜空に無数の星と星雲が輝いています。
青天に雲が棚引けば、雹や霰が降る
朝食を朝焼けの中で済ませ、ご来光を背に受け、隊列を組み次の目的地に向けて“出発”です。
夏山、特に2000メートルを越える山々は、午後には天気が崩れ易く、危険と隣り合わせです。
青天に雲が棚引けば、俄かに雹や霰が降り、また、濃霧の発生や、雷、雷雨は付きものです。
だから、縦走のスケジュールは、午前中にいかに距離を稼ぐかが勝負。お山はやっぱり午前中が
勝負の稼ぎ場ですね。
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大天井から蝶ケ岳を眺める。
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真昼の青天に雹や霰が降る
真夏の北アルプス、天気予報がほぼ快晴であっても通り雲が差し掛かると雹や霰が降ってきます。
真に夏山の気温は、朝夕の気温の差が大きく、著しく変化します。特に午後の天候は要注意です。
そして、アルプスの夏山は、日暮れから早朝の冷え込みが真に厳しく、身体に刺す真冬並み、
氷点下の寒さとなります。
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蝶ヶ岳ヒュッテとテント場
「蝶ヶ岳 チョウガダケ」の名前の由来は、春先になると、蝶の雪形が現れることから
名付けられました。
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蝶ケ岳の正面に槍ケ岳が見えます
蝶ケ岳は上高地の谷を隔てて穂高連峰の東側にそびえる山です。
蝶ケ岳から見た北アルプス南部、蝶ケ岳の正面にぴんと尖がった槍ケ岳が見えます。
その左側にどっしりとそびえるのは穂高連峰。
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蝶ヶ岳は、槍・穂高連峰と梓川を挟んで向かい合っています。
そのため、山頂からは槍・穂高連峰の迫力のある大パノラマが広がっています。
一度見たら忘れることができない景色との出会いがあります。
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蝶ケ岳ヒュッテの真向かいで目の前にあり、槍ケ岳・穂高連峰からすぐの距離だけあって、
蝶ケ岳山頂から広がる景色は絶景ですばらしい。
すぐ近く有る様に感じますが、汚れ無き澄んだ空気が引き起こす目の錯覚です。
実際に蝶ケ岳から槍ケ岳へ行くとなると、丸一日は掛かる縦走コースとなります。
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安曇野側に広がる雲海
蝶ケ岳からの下山道は雲海の中を歩く
蝶ヶ岳ヒュッテからの下山道は、2677mの蝶ヶ岳から1350mの三股まで雲海を潜り抜け、一気に
駆け下ります。
湿気が篭った蝶ヶ岳の谷間から白いガス(雲)が、沸き立つ様に立ち上っております。降った雨
が雲になり、雨を降らす。大地と天とを水が循環しています。
黒々とした雨雲を下から見上げるか、山の上から見下ろすかで、遠く離れて眺めると雲海だと
認識できますが、雨雲の中に分け入ると雲海と言うより、水滴が漂う濃霧です。
山の頂上から麓を目指し降りて行くと山の中腹に架かった雨雲に遭遇し、視界が悪くなり、霧で
身体がビッショリと濡れます。雨雲の正体は、濃い霧です。
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三股登山口
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蝶ヶ岳・前常念岳への登山口となる三股登山口駐車場です。
夏山登山のスケジュール調整
北アルプスを縦走する(燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳)計画を立てるに当たり、まず考慮
すべきポイントは、北アルプスの空模様です。
天候が悪く、谷から吹き上げる暴風雨に晒され、大自然が牙を剥く天気では、尾根沿いを縦走
する登山以前に、滑落などの安全上の課題を背負うことになります。
一年の内で晴天が多く、天候が一番安定しているのが、8月1日~5日頃です。だからこの期間に
照準を合わせ夏山登山のスケジュールを組みます。
八月初旬の盛夏、北プスの山頂付近を稜線伝いに縦走し、雲海をはるか上から眺める。
まことに爽快ですが、此処は、標高3000mに近く、空気も薄い高地であり、天候が急変する危う
さがあります。たとえ真夏の日中であっても、太陽に雲が掛かり光が陰ると、たちまち雪や雹が
降って来ます。また、朝方の冷え込みは、相当に厳しく、真冬並の凛とした寒さである。
この様に厳しい大自然が相手の夏山登山スケジュールだけに、天候が一番安定している月日を選
び、日程を組むことに為ります。
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宮川ダム湖の船着き場
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