尾鷲道 大台ケ原から尾鷲を行く”近畿の山々” 

 

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大杉渓谷から大台ヶ原縦走

宮川ダム湖から大杉
谷登山口


大台ケ原から筏場へ



尾鷲道 大台ケ原から尾鷲を行く


東の川渓谷の雲海

尾鷲道は、大台の尾鷲辻と尾鷲駅を結ぶコースであり、大杉谷の下山コ−スす。
宮川ダム湖の大杉乗船場で遊覧船に乗り、三発の登山口に向かい、下船してほどなくで宮川第三発電所です。
宮川第三発電所の横の道を通り、大杉谷の登山道に入るとほどなく大日ーです。
岩をくりぬいた断崖絶壁の縦走路を、本流に沿って登るとほどなく千尋滝に着く、途中の桃の木の小屋で宿泊し、
渓流沿いの断崖絶壁を歩き、七ツ釜の滝や堂倉の滝等を巡り、秀ヶ岳山頂に立つ。大台山荘で宿泊し、
帰路は尾鷲辻から東の川の雲海を眺めながら尾鷲道を下り、尾鷲駅に向かいました。
かれこれ45年ほど前になりますが、思い出の尾鷲道です。


大台山荘(湯治館)

スタート地点の尾鷲辻には東屋があり、その後側に尾鷲道が続いている。


東屋

尾鷲道は、古くからある古道ですが、大台ヶ原ドライブウエイ(県道40号線)が開通後に廃れ、
この当時から利用者は少なくなっていました。
現在の尾鷲道は、利用者がほとんどいない廃道となっていますが、それでも踏み跡はしっかり残っています。 


東屋の後側から始まる尾鷲辻

大台ケ原の尾鷲辻から尾鷲への下山コースは、
尾鷲辻 → 雷峠 → 木組み峠 → 又口辻 → 古和谷栃山分岐 → 林道 → 古和谷橋 → 尾鷲駅 

尾鷲辻から広々とした原生林の中をひたすらに下る。しばらく行くと、下っているのか登っているのか
はっきりしない道が、山肌に沿ってエンエンと続く。 尾鷲辻から約1時間半で雷峠。



赤土のあるところが「雷峠」

雷峠から30分で一本木の指導標がある。右下はるかに東の川渓谷が見え、
さらに林の中に続く道を下ると、木組峠の指導標、眺めの悪い林の中の一本道をなおも下ると神明水です。
(ここに水がないと、下の古和谷まで下らねばならない)


一本木


東の川渓谷


木組峠


神明水

又口辻。ここまで来ると、目の下に尾鷲、そして太平洋が望める。山頂からは尾鷲市街がよく見える
この付近で標高1100bだから、これからでも標高1100b下らねばならない。

  
                又口辻


尾鷲市街


又口辻の稜線

又口辻から5分も歩かないうちに古和谷栃山分岐がある。
古和谷栃山分岐の道標を左へ行くと橡山林道の地蔵峠方面へ、ここでは右に行き、古和谷方面を歩きます。


栃山古和谷分岐の標識



古和谷栃山分岐から右の古和谷へ向かうと、今までの道とがらりと変わり、素早く一気に下る。
ようやく谷から水音が聞こえてくる。 右岸に下ると、間もなく吊り橋を渡り、古い軌道(トロッコ道)
後を谷に沿って下る。 水量も増して、川岸の岩づたいに下ると、やがて 古和谷林道に出る。


古い軌道のトロッコ道


軌道の石垣


古和谷林道の終点の土場

谷に沿って付けられた林道は、まもなく右岸へ、林道は川の水面よりかなり高い所に付けられ、
谷はしだいに深くなる。


古和谷橋

古和谷橋や又口橋をわたり、バス道を行くこと10分で坂下トンネルをくぐると、潮風が吹いてくる。
尾鷲の街並みに入り、国道42号線を越えて、踏切を渡ると尾鷲駅は間近です。(松坂山岳会)


坂下トンネル


尾鷲湾、国道起点方面









大台ケ原尾鷲道の後書き

雷峠から一気に駆け下ると、湿気が篭った谷間から白いガス(雲)が、
沸き立つ様に立ち上り、降りて行くと山の中腹に架かった雨雲に遭遇し、視界が悪くなり、
霧で身体がビッショリと濡れます。

雲海の正体は、濃い霧です。水が大地と天とを循環しています。降った雨が雲になり、雨を降らしています。
黒々とした雲海を山の上から見下ろし、雲海の中に分け入ってゆきます。
と雲海は、水滴が漂う濃霧でした。湿度100%の濃霧で下着がビショビショに濡れます。

大杉谷の下りがそうで有る様に、尾鷲道の下りの登山道は、いっきにくだるので、インパクトが少なく、
登りに比べ記憶にとどまることが少ないですが、唯一、雲海の中を潜り抜けたことが記憶に残りました。 



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