ISO文書のスリム化
PDCAの継続的改善どころか、現状維持に精一杯で身動きできない企業は、
しなくても良いことまでルールを設定してしまった企業です。
重厚長大な手順書や規定、記録書式、やらなくて良い会議、余分な計画などを
設定してしまった、という場合です。このタイプの企業も意外と多いと思います。
以下の事例は、ISOの重いルールを構築したパターンです。
・中小企業なのに大企業のマニュアルや手順を真似てしまった。
・コンサルタントや審査員が持ってきた事例をそのまま取り入れてしまった。
・書籍や参考書の内容を次々に導入してしまった。
重いルールを構築した企業は、基本的に真面目です。辛いルールを守り続け、面倒だ、
負担だ、やりたくないという言葉さえ発することなく、厳しいルールに従っています。
おそらく審査員に言われたことも、忠実に守っているのでしょう。
たとえ自分の会社にそぐわないことを言われたとしてもです。
一言で言うと真面目過ぎます。
やりたくないことはやりたくない!できないことはできない、と主張する勇気が
なかったが故に、コンサルタントや審査員、あるいは書籍に言われたことをそのまま
取り入れて、ルール がどんどん増えて複雑化していったのでしょう。
ISOのルール(基準)は、あくまで自主基準です! ルールは厳しく設定するも
甘く設定するも自由です!
従って都合の悪いルールは、身丈に合わせて自分達でいくらでも改定できます!
ISOのルールは守るためだけにあるのではありません。地域の要請、社員の要望、
顧客や取引業者の変化、設備の進化、法令の改正などに合わせて、どんどん変えて
いくべきものなのです。むしろ常に変化していくことが自然で、最初に設定した
ルールを頑固に守り続けている企業のほうが“異常”です。
使い勝手の悪いルールは、さっさと改訂しなければなりません。
もしも沢山の分厚い文書類を前にして、『今更どこから手をつけて良いか分からない』
という状態なら、考え込むことはやめて、一度専門のコンサルタントに頼んで
一気にスリム化してしまうほうが解決の早道でしょう。
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