ISO事務局を長らく務めている方でも統計的手法と云えば、何か難しそうで縁遠い
ことの様ですが、そうでも有りません。
普段使っている、チェックシートやパレート図、特性要因図等のQC七ツ道具を
使っての情報の収集や分析の総称が統計的手法なのです。
また、統計的手法は、こうとも言えます、物事を改善するために、データ(言語・数値)
を収集し、それらを整理・分析・解析して現象を明らかにする際に使用される方法であり、
それらの手法として「QC7つ道具」が多く使われます。それであるなら不良対策の
一環として、日常的に使われていると思います。
QC七ツ道具は、不良品の原因を分析する手法として用いられておりますが、
なんでも出来る魔法の杖ではありません。
例えば、パレート図は、沢山ある不良原因の内、2個〜3個の原因で不良全体の80%を
占めている事をグラフ化するもので、不良原因の絞り込みに用いられますが、パレート図
を使ったから自然と自動的に絞り込まれたのでなく、不良原因となる項目の括り方の工夫
や異なる原因を同じグループに入れるとかして、パレート図を際だたせるため、
情報・データをコントロールして作為的に作り出した結果なのです。
そう語るのは、電力会社の研究所でQC七ツ道具の講師を長年務めた知人のI氏です。
氏とは、同じデミング賞世代と云う事もあり、仲良くさせていただいております。
I氏の言葉を借りると”そうなる様にする”との作為的なプロセスが導くQC七ツ道具は、
情報収集や分析の結果ありきでなく、むしろ想定される結果に導く過程が、結果以上に
重要となります。

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