ISOの認証件数の推移


私はISOコンサルタントで日本適合性認定協会(JAB)や審査機関のウェブサイトを
のぞくな
んてこともたまにしかしない。そんな状況であるが、数日前に珍しくJABの
ウェブサイトを新しい
情報はないかとながめていたら、面白いといえるかどうかは
ともかくすごいデータを見つけた。
http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_statistic_09_j.cgi2007年第一四半期で驚くことに

ISO9001の認証件数が減少していたのである。
過去10数年、ISO9001認証件数は増加の一途であった。だいぶ前から増加率が減りつつある
とはいえ、登録件数が減るなどとは思ってもみなかったので登録件数減少に驚きました。
JAB適合組織推移グラフ

 

2005-Q3

499

42242

2005-Q4

343

42585

2006-Q1

540

43125

2006-Q2

222

43347

2006-Q3

53

43400

2006-Q4

164

43564

2007-Q1

-195

43369

2007-Q2

-302

43067

2007-Q3

-78

42989

2007-Q4

-164

42825

2008-Q1

-192

42633

2008-Q2

-382

42251

2008-Q3

-616

41635

2008-Q4

-272

41363

2009-Q1

-365

40998

2009-Q2

-575

40423

2009-Q3

-456

39967

2009-Q4

-528

39439

2010-Q1

 

 

2010-Q2

 

 

2010-Q3

 

 

2010-Q4

 

 

ISO14001はどうかとみれば、まだ総登録件数が減少して
はいないものの、
登録件数は伸び悩み新規登録件数は
もう誤差の範囲である。総登録件数
2万件に対して、
新規登録が年間で1000件とはバラツキ、揺らぎ程

だろう。

しかしISO9000が4万件で飽和したのに対して、
ISO14001が2万件で飽
和したとはこれまた驚く。
うがった見方をすれば、過去数年間のISO9001の認証件数
の増加は行政
の入札条件の後押しがあったからであり、
認証した企業の多くは建設業関係であった。
そのような背景がなければ建設業界でISO9001認証の
要性というのはあまりなかったのは間違いない。
いってみればISO認証に咲いたあだ花であったとも
言える。

強制力が働かなかったISO14001はその前の状態でブーム
が一巡しきっ
たということだろうか?
現実の社会をみれば、排水の測定データや大気のデータ
を偽ったり、
事故隠しなど環境に関わる不祥事は多々
ある。こういった対策として経
済産業省はいろいろと
ガイドラインを出したりしているし、民間サイド
でも
ISO14001をはじめとするEMSを構築しようという発信を
している。
それはまったく正しいアプローチだと思うし、本当に
役に立つEMSを企業に作らせていかなくて
はならない
ことは間違いない。
JABがアップしているグラフはJABのマークをいただいて
いる組織の数です。
しかし自治体の6割がEMS認証を返上したというのは
事実です。また建設関係の業界の雪崩をう
った返上も
事実。



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