ISO9001要求事項の概要


ISO9001要求事項の概要

ISO9001は、「顧客重視(満足)」、「継続的改善」、「品質保証」の観点から、製品の実現プロセスをはじめ、
文書管理、経営者の責任、個人の力量など経営全般について企業がするべきことを規格の中で要求しています。
ISO9001の要求事項は具体的な方法(How to)や程度(数値)は要求していません。要求事項をどのような方法
で、どの程度、実施するかは、ISO導入企業自身が決定してマニュアルに文書化(ルール化)し、定めたルールを
実施することで、規格の要求
事項を満たしていることになります。
ISOが”どんがら”であると云われるのは、ISO規格そのものは、どんがら(空袋)であり、袋の中身は、導入企業
の”業務の進め方”であるためです。

ISO9001は2000年版の改定以降(現在の規格は2008年版)企業に自由度が多く与えられていま
す。
これは企業の画一化がISO9001の目的ではないからです。ISO規格の趣旨は、ISO導入企業の業種や規模、
その企業の”仕事の進め方”に適した品質マネジメントシステムを構築し、効果的な経営がなされることを狙って
います。


[ISO9001規格の項目とその内容]
要求事項は規格の4章~8章部分に記載されており、次のような構成になっています。

項目

内容

4

4.1

4.2

品質マネジメントシステム

一般要求事項

文書化に関する要求事項

文書をはじめ、システムに関する全般的な要求。

5

5.1

5.2

5.3

5.4

5.5

5.6

経営者の責任

経営者のコミットメント

顧客重視

品質方針

計画

責任、権限及びコミュニケーション

マネジメントレビュー

経営者に対する要求事項が書かれています。経営者自身が責任をもってすることを含め、経営者の責任により会社及び従業員が果たすべき要求。

6

6.1

6.2

6.3

6.4

資源の運用管理

資源の提供

人的資源

インフラストラクチャー

作業環境

人に対する力量及び会社の設備や建物、作業環境に関する
要求。

7.

7.1

7.2

7.3

7.4

7.5

7.6

製品実現

製品実現の計画

顧客関連のプロセス

設計・開発

購買

製造及びサービス提供

監視機器及び測定機器の管理

物やサービスを作り出すプロセス全般に対する要求。

営業プロセスに対する要求。

設計開発(企画を含む)に対する要求

製品仕入や外注業者に関わる購買プロセスに対する要求。

生産プロセスまたはサービス提供プロセスに対する要求。

測定機器の校正や管理に関する要求。

8.

8.1

8.2

8.3

8.4

8.5


測定、分析及び改善

一般

監視及び測定

不適合製品の管理

データの分析

改善

プロセスが規格や顧客、または自社のルールに適合しているかどうか測定、監視を行い、継続して改善活動を実施するための
要求。
会社はデータの収集をはじめ、内部監査や不適合品の処置、是正処置を実施しなければならない。


「ISO9001の規格(要求事項)の内容を知りたい」という方は、解説書ではなく、規格書を購入して一度読んでみては

いかがでしょうか。多くのISO9001解説書は、大企業をモデルとした重厚長大な文書体系となっており、中小企業ではそのまま採用できない内容となっています。

JIS規格の本は日本規格協会や大きな書店のISOコーナ、インターネットから購入できます。
品質マネジメント要求事項が記載されているページ数はそれほど多くなく15~20分程度で読み終わります。
ただ、ISO規格を理解するためには1回だけではなく、何度も繰り返し読まれることをおすすめします。


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